元気!誠実!テーマで伝わる、氷河期ひきこもり向けの履歴書デザイン

 今回は氷河期ひきこもりや長期無職の方を対象にした、履歴書の書き方をご紹介します。

 論より証拠と言いますか、まずは一般ひきこもりの方が作った下記2つの履歴書を比べて下さい。そして履歴書を書いた人の、性格や印象を想像してみましょう。

1の履歴書

2の履歴書

 …如何でしょうか。1の履歴書を見た人は、おそらく「元気そうな人だな!」と感じたハズです。しかし2の履歴書からは、人物像が浮かばないのではないでしょうか。

 2つの履歴書は、どちらもまったく同じことを書いています。ただの1文字も違いません。ですが履歴書から受ける印象は、ずいぶんと違うハズです。

どうして、これほど印象がちがうのか?

 その答えは、履歴書のデザイン設計の違いです。今回はみなさんに、履歴書デザインの大切さをお伝えしたいと思います。

編集ちょー
説明抜きで方法を知りたい方は、ココをクリックしてね!

2の履歴書の問題点

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ひきたろう
なぁ。オレの履歴書みてくれよ!

編集ちょー
うーん。残念だけど、これじゃアナタの強みが見えてこないわ

ひきたろう
なんでだよ!付録のガイドを見ながら書いた履歴書だぞ

編集ちょー
それが良くないのよ。例えば、志望動機のトコに、元気で明るい性格ですって書いてるでしょ

ひきたろう
ああ。俺は元気だけは余ってるからな

編集ちょー
でも、文字の大きさや形、写真の表情を見なさいよ。個性のない文字に笑顔の見えない顔写真。これじゃ元気で明るいって自己PRが伝わらないわ

ひきたろう
丁寧に書いたのが悪いのか…

編集ちょー
丁寧に書くことは大切よ。でもこれじゃ、読み手はアナタがどんな人がイメージできないってこと

ひきたろう
じゃあ、どうすべきなんだよ…

編集ちょー
履歴書全体を1つの作品と見て、一貫性を持たせるコトね

編集ちょー
相手が何を求めているかを理解して、自分の強みと一致する部分を、履歴書全体で訴えるように計画するの。それなら、アナタの強みも伝わるわ

ひきたろう
相手目線で書くってことか!!

編集ちょー
そうね。採用担当者が履歴書を見て、会ってみようとアクションしたくなる、メッセージを送るのよ

ひきたろう
でも、どうやってそんな履歴書作るんだ。相手の目線って言われても、ノーヒントじゃわからねーぜ

編集ちょー
しょうがないわねぇ。今回も特別に教えてあげるわ

 2種類の履歴書の違いは、書く前から決まっていました。

 まず2の履歴書は、履歴書の付録の書き方ガイドなどを参考に「失礼のない・嫌われない」ようにして書いたものです。

 自己PR欄では「自信アリ」と強いコトを言っているのに、文体や写真は無機質と言って良いほどの無個性ぶり。背後からは、「嫌わないで」と言わんばかりの臆病さが出ています。

 しかし1の履歴書は、文体やフォントの選択、志望動機の内容、写真の撮り方に至るまで素人なりに考え抜き、読み手に、

自分は元気で、明るい人材です!

 と正確なメッセージを伝えようと、デザイン設計された履歴書です。

 皆さんもその違いを、実感できたのではないでしょうか。

 どちらが適しているかは、時と場合によります。しかし元気で明るい人材を求めている人に見せるなら、1の方が良いのは明白です。

問題点1:嫌われたくないが前に出て、人物像を伝えていない

でも、失礼のないように書く姿勢は、大切じゃないか。そういう意味では、2の履歴書も良いのではないか?

 たしかに、社会人として礼儀を守る姿勢は大切です。その意味で2の履歴書は、悪いとは言えません。

 しかし求人に応募するときは、なによりもまず、採用担当者に「会いたい!」と、こちら側のメッセージを伝えるコトが肝心です。とくに未経験向けの求人は、スキルや経験を求めないぶん、採用担当者は性格や人物像などの情報を強く欲しています。

 実はここにも、2の履歴書の問題があります。

 2の履歴書は、よくある履歴書ガイドに従い、

  • 「文字は失礼のないように丁寧に書く」
  • 「志望動機は熱意の伝わるものを」
  • 「表情はだらしなく見えないように撮る」

など、その場、その場のマナーに即した書き方をしています。礼儀を第一とするのは良いのですが、写真、文体、内容がそれぞれ別の方向(文字→ていねい、文章→熱意、写真→清潔)を向いているのです。しかも「嫌われたくない」が先に立ち、どこにも「会いたい」がありません。

 つまり礼儀を重んじるあまり、本当に伝えるべきメッセージを伝えていない、典型的な失敗例と言えるでしょう。本人は「会いたい」と思って筆を取ったハズなのに、いつの間にか「嫌われたくない」になってしまっているのです。

 ハッキリ言ってしまいますと、未経験向けの求人に応募する時は、失礼のないように、嫌われないようにと心配して書くより、自分自身のやる気や意欲が伝わるよう「自分をデザインした履歴書」の方が効果的です。

 

問題点2:事務的な書類は氷河期・長期無職に不利

 これまで良い履歴書とは、事務的な書類(2の履歴書)とされてきました。

 履歴書には決まった形、決まった書体、決まった表情という枠があり、個性や人柄は志望動機やPR欄による「文章での表現」が、好ましいと考えられていたからです。

 実際、若さに包まれ、順調な人生を歩んできた人にとっては、この書き方でも大きな問題はありません。

 ワザワザ文章や写真で「業界に慣れています!」、「成長性は十分です!」といった主張をしなくても、職歴や経験・若さなど客観的事実だけで、自分の強みや長所を採用担当者に伝えることができるからです。

人材としては負けている

 しかし低職歴・低スキル・年齢に悩む人たちが、事務的な履歴書の書き方をマネしても、到底採用はつかめません。

 なぜなら、長期無職や氷河期ひきこもりの方の場合、読み手に「どんな人か?」をイメージしてもらうために必要な、経験や職歴・スキルなどの情報が足りないからです。

 むしろ個性がなく事務的なぶんだけ、長期ブランクによる中身のなさばかりが目立ってしまい「どんな人かはわからんが、ひきこもりだろうな…」と、人材価値の貧弱さが際立ちます。

 大事なコトなので、もう一度言います。長期無職や氷河期ひきこもりの人材価値は、社会人や若者に劣ります。そして彼らと職を競い勝利するには、彼らの身分や経験以上に、「自分がどんな人か?」を強く訴える必要があるのです。

 だからこそ、わたしは皆さんに、(多少常識を曲げてでも)「自分の人柄や人物が100%伝わる履歴書の書き方」をすべきと提案しています。

伝わる履歴書デザインを作る5ステップ

  1. 応募先のニーズをチェックする
  2. コンセプトをデザインする
  3. 志望動機を考える
  4. フォントや文体を選択する
  5. 伝わる写真を撮影する

ステップ1:応募先のニーズをチェックする

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ひきたろう
理論はわかった。実践のためには、まず何をしたらいい?

編集ちょー
何事もリサーチが第一よ。まずはハロワを見て、アンタが応募したい会社の求人票を見なさい

ひきたろう
なんだ。資格の時みたいに、ニーズを見るのか?

編集ちょー
そうね。未経験者向けの求人にはだいたい、こんな感じの職場ですって感じの文章があるから、メモするの

ひきたろう
わかったぜ!

編集ちょー
アンタもデキるようになってきたわね

 履歴書デザインの8割以上は、実際に筆を取る前に決まります。

 まずはハローワークの求人票などをチェックして、応募先の会社が「どんな人材を求めているのか?(ニーズ)」を整理しましょう。未経験向けの求人票には、必ずと言って良いほど、求めている人物像が書かれています。

求人備考欄から「こんな人材が欲しい」を推察する

  •  声かけ100%!イキイキと働く人の多い職場です → 元気で明るい人が欲しい
  •  落ち着いた雰囲気で、業務に集中できる環境です → マジメで集中できる人が欲しい
  •  アットホームで仲の良い職場です → 温和な人や、気遣いのできる人材が欲しい

 上記のような備考情報は、わたしたちにとって貴重です。直観的で構いませんので、どんどんメモを記して、情報をピックアップしていきましょう。

ステップ2:コンセプトをデザインする

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ひきたろう
よし。俺の受ける会社は、元気で明るくて、運転経験のある人が欲しいとわかった。次はどうしたらいい?

編集ちょー
アンタの性格のうち、会社が求める人物像と重なる部分をテーマにして、履歴書のコンセプトをデザインするの

ひきたろう
俺はどっちも当てはまる。年に1度も風邪をひかないほど元気だし、ママと車で買い物にいくぜ

編集ちょー
ならこの履歴書は、元気さをテーマに進めるべきね

ひきたろう
つまり文字の大きさや形、写真なんかは、元気に見えるものを選べってことだな

編集ちょー
そうそう。採用担当者がアンタの履歴書を取った瞬間、自分が求めている人材像だって思ってくれるコトを目標にするの


 ステップ2では、ステップ1から浮き彫りにした、応募企業が「どんな人材を欲しているか(ニーズ)」にもとづいて、履歴書全体のデザインテーマを決定します。

コンセプト設定で決めるべきポイント

  • 文字・フォント → どんな文体で記載するか
  • 志望動機・自己PR → どんな内容を記載するか
  • 写真 → どんな印象のものを選ぶか

 例えば、「声かけ100%!元気でイキイキとした接客が、お客さんに好まれている職場です」と書かれた求人票は、あきらかに元気で明るい人を求めています。ですから上記の求人への応募者は、文体や志望動機など全体を通して「明るい人材」に見えるように、文字を普段より大きくして、笑顔に近い表情を作り、元気さが感じられる志望動機を含めるべきです。

 どのように表現すべきかわからない時は、デザインに関するサイトなどを調べましょう。たとえば「文字 誠実」や「表情 優しい」などで調べれば、誠実に見える文字の例や、優しい雰囲気になるメイク法や、表情の作り方が出てくるハズです。

例:「元気で明るい人が欲しい」職場への履歴書コンセプト

  • 文字・フォント → 大きめ・太めの文字など、明るく見えるように書く
  • 志望動機・自己PR → 家族や近所との会話・集団競技によるスポーツなど、明るいエピソードを盛り込む
  • 写真 → 口角を上げるなど表情を工夫。多少の笑顔は工夫と割り切る

 統一したコンセプトに沿って作られた履歴書は、事務的なものの何倍も、書いた人のリアルさを表現します。採用担当者は手に取っただけで、皆さんに対して「きっと、こんな人だ」と期待を寄せるはずです。

ステップ3:志望動機・自己PR考える

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ひきたろう
さて、いよいよ志望動機だな!

編集ちょー
具体的なエピソードから、さりげなくコンセプトに寄り添う形が理想的ね

ひきたろう
語れるほどの職歴がないんだけど、どうしたらいい?

編集ちょー
大切なのは、アナタがどんな人か伝えるコトよ。趣味でも普段の生活でも、なんでもいいわ

ひきたろう
ちなみに、具体的なテクニックとかある?

編集ちょー
あるけど、本テーマからは外れてくるから、別のコラムで教えてあげるわね

 ニーズとコンセプトを固めたら、志望動機や自己PRの内容を決めましょう。

 ここまで進んだ人は、既に頭の中で「元気な人」や「マジメな人」など、全体のテーマが決まっています。ですから自己PRは、自分の経験や経歴や思いを振り返り、伝わるエピソードを選ぶだけです。

 ポイントは、日常生活を通じて感じた経験や思いを、具体的に描写するコト。アナタの立派さを伝える必要はありません。目標は「アナタの性格や人格が、会社の求める人物像に一致している」を伝えるコトです。

 趣味やこだわり・ペットに関する話題など、どのようなものでも構いません。「こんなエピソードは笑われるんじゃ…」などと考えず、率直に書く姿勢をオススメします。

例:「マジメで集中力のある人」を求める作業職への応募(未経験)
細かな作業への集中力と、正確さには自信があります。

 昔から、プラモデル作りやフィギュアの塗装が得意なので、集中すれば何時間でも作業できます。自分の手で作ったものに愛着を感じる性格だからか、一つひとつの工程を疎かにした経験はありません。

 わたしは自身のこのような性格や適性に、貴社の強みである、徹底した品質管理に重なる部分があると考えています。

 社会経験を持ちませんが、仕事では上司や先輩方の指示をよく聞き、勝手な判断をせず、正確な作業をこなせる人材に成長したいです。

(履歴書の志望動機にて、別途詳しく解説する予定です)

ステップ4:フォントや文体を選択する

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ひきたろう
元気に見せるための文字って、どうしたらいい?

編集ちょー
基本的には、大きめ、太めね。今のアナタの履歴書は、細くて弱々しく見える

ひきたろう
でも、いまのまま太くすると、読みにくいなぁ

編集ちょー
文字の間隔を開けるって手もあるわ

ひきたろう
おっ! たしかに読みやすくなったぞ!

編集ちょー
ただし、日本人はTPOみたいな忖度文化が大好きよ。やりすぎは注意してね

 文字やフォントも、デザイン全体のコンセプトに従って選びましょう。

 文字は基本的に、太くなるほど元気で力強い印象が増してきます。逆に細くなるほど、読み手に繊細で上品な、女性的な印象を与えます。手書きの場合は、ペン先のサイズを調整すると良いでしょう(0.5を0.7にするなど)。

 パソコンで作る履歴書は、使用するフォントの選択によって、ずいぶんと印象がかわってきます。最近は明朝体やゴシック体ひとつとっても、様々なバリエーションが出ているので、好みで選びましょう(当サイトオススメは、男性向けで力強い印象の游明朝Demibold)。

 ただしパソコンの履歴書にもいつの間にかルールができているようで、楷書体や丸ゴシックのような、クセのあるフォントはNGです。採用担当者の反感を買っても仕方ないので、オーソドックスな明朝系を使用しながら、太さや行間で調整する方法をオススメします。

 自分が「元気そうだ!」と感じたものは、担当者に対しても同様の印象効果が期待できます。

参考文字の太さやフォントによる一般的な印象効果

文字の太さ 印象
太い 元気・力強い・男性的な・重い 
細い 繊細・上品・女性的な・軽い

 フォントの印象効果は絶大ですが、やりすぎるとTPOをわきまえてないと批判を浴びます。適切な範囲で、抑え気味に調整するのがポイントです。

ステップ5:伝わる写真を撮影する

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ひきたろう
最後は写真か。でも証明写真って、そんなに印象変わるもんなの?

編集ちょー
表情一つでも、結構違うわよ

ひきたろう
へぇ。じゃあ実例見せてくれよ。あ、でもタレントとかダメだぞ。リアリティないから

編集ちょー
そうね。じゃあサンプルに使った写真を見比べてみよっか

(後日を画像挿入します)

ひきたろう
うお。確かに印象が違うな…

編集ちょー
でしょ。元気さアピールなら、口角上げた写真の方がいいでしょ

ひきたろう
でも、履歴書って笑顔NGじゃないっけ

編集ちょー
ルールにガチガチになりすぎちゃダメ。目を閉じてしまうほどの笑顔じゃなければOKよ

ひきたろう
確かにそうだな。俺も笑顔の写真の方がいい気がしてきた

 最後は、伝わる写真の準備です。

 目は口程に物を言うと言いますが、人間の表情、とりわけ心の裏を読みたがる日本人に見せる表情は、注意に注意を重ねるべきです。目を閉じてしまうほどの笑顔はNGですが、口角を上げたり、目元をハッキリとさせるなど、少し印象を変える程度の工夫は、テクニックの範囲と捉えましょう。

 「どうしたら印象通りの表情を作れるかわからない」という方は、少し高くつきますが写真屋さんへの相談がオススメ。写真屋さんは表情や印象に関して豊富な知識を持っているので、「〇〇に見える取り方にして欲しい」とお願いすれば、色々なアドバイスが受けられます。

スピード写真ならプリクラ機がオススメ!

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ひきたろう
写真屋高すぎ。安くてきれいに撮る方法ないのかよ

編集ちょー
スピード写真なら、証明プリがオススメよ

ひきたろう
プリで大丈夫かよ!

編集ちょー
あら。証明プリ機能がついてる機種なら、スピード写真以上に丁寧に仕上がるわ

ひきたろう
まじか…知らんかった

編集ちょー
男性は知らない人が多いよね。高機能カメラで撮影して、加工も自由自在にできるわよ

ひきたろう
すげぇ。行ってみたい。でも男で一人で入るのは…

編集ちょー
ママに頼んでいけばいいじゃない。ま、男性NGなトコも多いけど

 就職マニュアルなどはスピード写真NGとするケースが多いですが、わたしたちのような層としてはスピード写真が主流かな、と思います。

 しかしスピード写真の機種によっては、カメラがあまり高機能でないものも多いです。「思ったのとは違った…」とガックリきてしまうケースも多いでしょう。

 そこで当事務所がオススメしたいウラワザが、プリクラ機の証明プリ機能です。プリクラ機は「キレイに見せる」に特化した高機能カメラと編集機能を搭載しているため、古いスピード写真ボックスより何倍もキレイに撮影できます。もちろん、写真の編集や加工もやりたい放題。肌の色を健康的に見せたり、清潔感を出したりと、知識ゼロでも思いのままの加工が実現します。

 おまけにスピード写真と比べて約半額。お得感もあります。(参考価格:400円 機種:Furyu)

まとめ

 未経験向けの求人では、人柄や性格など内面的な部分がもっとも強く影響します。

 氷河期ひきこもりや長期無職の方は、スキルや経験に劣るので、ほかの人よりも強く人格面を表現する姿勢が大切です。

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