
低職歴・低スキルが心配な氷河期ひきこもりの方には、資格取得がオススメです。
理由はカンタン。それしか武器がないからです。
正直なところ、日本は中年を過ぎてからの就職活動は難しいです。まして長期ひきこもりとなりますと、空白期間にスキルや経験不足などのマイナス要因が加わって、同世代はもちろん、若者や外国人との競争にも勝てません。
そんな氷河期ひきこもりの方にとって、資格はライバルたちと競り合うための、有用なアピール材料です。関連業界の資格があれば、採用担当者の印象が良くなるばかりか、志望動機や自己PRに弾みがつきます。
問題は2019年6月現在、どんな資格に需要があるのか。今回は「40代以降・職歴なし」でも需要があり、正規雇用にも繋がる、救世主的な資格をご紹介しようと思います。

意味はあるの?氷河期ひきこもりが、資格を取得するメリットとは








資格取得のメリットは採用率アップだけではありません。履歴書や面接試験をラクにしたり、パワハラやイジメの防止にも役立ちます。
応募したい業界が出てきた時は、必ず関連資格で取れるものがないかチェックしましょう。手ぶらで面接を受けるより、色々な面で有利です。
イジメやパワハラを防止できる!












残念ながら、日本の職場は「デキない子に厳しい」です。
職場に意地悪な同僚や上司がいると、デキない子はイジメやパワハラを受けたりします。ターゲットになると孤立し、精神的に追い詰められ、ミスがますます続出。より厳しいイジメを受ける悪循環が待っています。
いかにも低レベルな話ですが、これが現実。世の中の離職理由のうち一定数は、パワハラなど職場トラブルが原因です。
防ぐには、とにかくデキる子になるしかありません。デキる子である限り、自分を保っていられるのが、男の社会というものです。
事前の資格取得はアナタのデキる子化をサポートする
資格は取得までの勉強や実習を通じて、わたしたちに知識と心構えなど「業務をこなすための土台」を与えてくれます。
入社後は資格により培われた土台をベースにして成長するので、無資格状態と比べて、スピーディな成長性が期待できます。つまり、アナタのデキる子化を助けてくれるのが資格です。
繰り返しますが、男の世界のイジメは大半が「能力不足」からくるものです。だから資格によるデキる子化は結果的に、イジメやパワハラ被害の防止に繋がる対策として役立ちます。
資格は決して、本人を「即戦力」にするものではありません。しかし資格はデキない子にとって、大いに役立つ武器となります。
履歴書を書くのがラクになる!






文章や書類を書きにくいと感じてしまう原因の8割以上は、書くべき材料の不足から来ているものです。
テーマに対する知識や経験が十分あれば、文法などを無視しても、それなりに読める文章に仕上がります。逆に言えば、いくら上手な文章を書ける人でも、知らないテーマを専門家以上に書くことはできません。
だから、もしアナタが履歴書を書きにくいと感じているのであれば、もっと業界や会社に対する知識を身に着けてから書くべきです。サイトからコピってきたり、無理して想像でひねり出した文章は、採用担当者には刺さりません。
その意味で応募先と関係のある資格を取るコトは、アナタが履歴書を書くための知識と経験を身に着ける、格好の機会となるでしょう。
もちろん資格を取ったくらいで、業界の深い部分は語れません。ですが未経験者向けの求人なら、資格勉強や実習の範囲で感じた気持ちや、経験したコト記すだけでいいんです。たったそれだけの文章でも、ムリしてサイトから持ってきた志望動機より、はるかに採用担当者の心に響くでしょう。
実はわたしも過去、10年超のひきこもり状態から、未経験の業界に応募した経験があります。その時もやはり書くべき材料が見つからず、大いに苦しみました。
資格があると履歴書作りは、格段にラクになります。これは後に資格を取って、身をもって経験した事実です。
面接がラクになる!






面接の本質は、セールスマンのような営業です。
役に立つかどうかわからない商品(アナタ)を、お客さん(採用担当者)に「買った」と言わせるための、ビジネスと言って良いでしょう。
お客さんである採用担当者は常に、「アナタは、社の利益になるのか?」を気にしています。しかし商品(アナタ)が役立つかは、働いてもらうまでわかりません。
ですから、採用を掴むにはアナタが自分を売り込んで、「役立ちそう!」と思わせるかにかかっています。実際に役立つかどうかは別として、「役に立つと思わせるコト」が重要です。
実はここでも、資格がおおいに役立ちます。
知らない人を説得する最大の武器は、「第三者による情報」です。
わたしたちも同じような商品を前にして、どれを買うか迷ったとき、「〇〇賞受賞!」や「✕✕機関認定!」と第三者評価の良い商品があれば、それが他の商品より優れている、信頼できるかのように感じますよね。
就職活動も、基本的には同じです。
資格は試験機関など第三者が「アナタ」の実力を認めた証明書。同じような人材が横並びになったとき、採用担当者も「何の裏付けもない人よりは…」と、採用に意識が流れます。
失敗しない!自分に合った資格の選び方






- どんな資格を取ったらいいか、わからない
- その資格が本当に役立つか、わからない
- そもそも資格を取れるのか、わからない
多くの方は資格を選びで、たくさんの「わからない」に悩みます。
資格勉強には時間もお金も必要です。自分にどんな資格が向いているのか決められず、不安になる方もいるでしょう。
そこで本稿では、過去の自分たちの失敗経験も含めまして、「うまくいきやすい選び方」のポイントを絞って紹介します。
興味のある資格が出た時の、参考にしていただければと思います。
自分に合った資格の選び方
- 1年以内に取れるものを選ぶ
- 実際の求人を見て選ぶ
- 実用的なものを選び取る
1年以内に取れるものを選ぶ




ひきこもりも40代や氷河期世代となりますと、既に「この道40年」を目指す年齢ではありません。
だから若い人たちのように、合格まで何年もかかるような資格(薬剤師や看護師など)は不向きです。たとえば薬剤師や看護師など医療系は強い需要があり、魅力的ではありますが、相当期間学校に通い勉強する必要があり、経済的・年齢的に相当な負担がかかります。
合格するころには定年近く。これでは、お話になりません。やはり基本的には「1年以内に取れる資格」にターゲットを絞るべきです。
もちろん、1年以内に取れる資格でも、順調にキャリアを積めば、十分に社会生活は過ごせます。あるいは結婚だって、不可能ではありません。
実際の求人を見て選ぶ






ハローワークの求人票は、まさしく情報の宝庫です。
資格名で検索すると、対象求人がズラりと出てきます。数件ほどの案件を閲覧すれば、その資格にどれだけの需要があるのか、本当に役に立つのか、賃金や雇用形態はどんなものかなど、様々な内容を理解できます。
- 求人の総数 → その資格に、どれほどの需要があるのか?
- 人材像 → その資格が、どんな人に役立つのか?
- 賃金の額 → 就職すれば、どれくらいの賃金がもらえるのか?
- 雇用形態 → 正社員が多いのか、それ以外が多いのか?
- 勤務形態 → 夜勤や休出など
たとえば、「大型自動車第一種運転免許(大型トラック)」で調べ、下記のPRを見たとしましょう。
40代以上の人がイキイキ!
未経験者にも優しい
これを読み替えますと、
40代以上の人がイキイキ! → 40代以上の人でも運転できる人なら欲しいです
未経験者にも優しい → 未経験者でも免許あるなら教えます!
上記のような本音が見えます。つまりこの会社は、男性で大型トラックの免許を持っているなら「40代以上・未経験者」でも欲しいと読み取れますね。
自分の適性を考えて選ぶ
資格は仕事に直結するものと選ばないと、ほとんど意味がありません。
ですから、資格を選ぶときはいま一度、先にある仕事が、自分に向いているのかを考えてから決めましょう。例えば運転な苦手な人が、タクシーを運転するための2種免許を取っても、活躍できる可能性は低いです。
はい。わたしは過去「あまり会話しなくていい」という理由で、体力もないのに熱窯環境の製菓工場に入りました。前の職場で人間関係に嫌気を感じたので工場作業を選びましたが、今度は過酷な熱窯のなかでの労働に耐え切れず、1か月足らずで辞めてしまいました。
人間、イヤな経験から逃げようとするあまり、本来の適性を見失い、別の失敗をしでかすケースは多々あります。資格はカンタンなものでも、ある程度の時間と費用がかかりますから、注意して下さいね。
中高齢ひきこもりにオススメの厳選資格5選!





40代以上・未経験・氷河期ひきこもりの方にオススメできる「実務経験なしで取れる」オススメ資格を紹介します。(普通自動車免許は取っている前提)
ハローワークでの1都3県の検出数(経験不問・40代以上) 2019年6月13日時点
- 第2種電気工事士(6809) 376件
- 宅建「宅地建物取引士(3207)」 186件
- トラック系統の運転免許「大型自動車第一種運転免許」 1422件
- 介護職員初任者研修(2313) 4248件
- フォークリフト免許(4813) 1334件
第2種電気工事士
1都3県のハロワ検出数(経験不問・40代以上) | 合格難易度 | 費用の目安 |
---|---|---|
376件 | ★★★☆☆ | 1万円~10万円 |
どんな資格?
電気工事士は、ビルや家屋など建物の電気設備を工事するための資格です。
小規模な建物の配線工事を業務とする、電気工事会社などに需要があります。上位資格に第1種がありますが、これは入社後に取る方が多いです。
試験は技能と実技があり、合格率は約45~50%前後。標準的な難易度なので、しっかり勉強すればだれでも取れる資格です。
現場では電気工事士を持っていない人は、(法的には)補助的な業務しかできません。
どんな待遇?
電気工事士は正社員案件が多く、雇用形態としては優れています。
当事務所で確認したところ、現時点での平均給与は20万円~30万円前後。これくらいもらえれば、社会人として自立できます。40代・経験不問歓迎と記載した案件も多く「親元を離れて自立したい!」とお考えの方にはピッタリです。
ただし人手不足業界なので、過酷な勤務形態の会社もあるでしょう。
フォークリフト免許
1都3県のハロワ検出数(経験不問・40代以上) | 合格難易度 | 費用の目安 |
---|---|---|
1334件 | ★☆☆☆☆ | 3万円~6万円 |
どんな資格?
フォークリフトを運転するための免許です。
工場でピッキング(工場内の荷物を移動させたりする仕事)などをする時に、この資格が役立ちます。研修では何度もフォークリフト運転を体験するので、未経験の方が事前に運転に慣れておく意味でも良いでしょう。
ただしこの資格は、数日の研修で取得できる、ごく簡単な資格です。落ちる人もほとんどいません。
必要全的に保有者が多く、資格の価値としては高いものではありません。フォークリフトの事前体験と、熱意アピールに使える程度と考えましょう。
どんな待遇?
フォークリフトを使った仕事はアルバイトから正社員まで幅広く、好きな働き方が選べます。
人手不足業界なので案件数が多く、不慣れな方や未経験者の採用にも積極的なところがポイント。ハロワの新着求人や、フリーペーパーで「未経験者歓迎」の文字を見ない日はないでしょう。
「いきなり正社員は不安だから、まずはアルバイトから…」といった方にも、ピッタリです。
宅地建物取引士(宅建)
1都3県のハロワ検出数(経験不問・40代以上) | 合格難易度 | 費用の目安 |
---|---|---|
186件 | ★★★★★ | 1万円~20万円 |
どんな資格?
宅建士は、不動産会社への就職に最も役立つ資格です。
不動産会社は法律上、どうしても相当数の宅建士が必要(5人に1人は宅建士がいないと営業できない)なので、この資格は常に需要があります。
現場系の仕事と比べると案件数は控えめですが、先に述べた通り不動産会社を運営するには、宅建の有資格者を揃えなくてはいけません。
したがって、将来的に人工知能が発達して多くの人がAIに仕事を奪われたとしても、おそらく宅建士の需要は残り続けるでしょう。
どんな待遇?
宅建は、取得すれば氷河期や中高年ひきこもりの方でも、「ホワイトカラー(ワイシャツを着て働く仕事)」として就職できる資格です。
不動産会社にしてみれば、宅建士は正社員で雇わないとメリットの薄い資格なので、40代でも正社員への期待が持てるところもポイント。
営業系メインの業界ですが、事務系の求人もしばしば出ているため、得意な部署に合わせると良いでしょう。事務系は営業系と比べ賃金が下がりますが、18万円~25万円くらいはもらえます。
とお考えの方には、オススメできる資格です。(ただし不動産業界は、激務なところも多いです)
注意:宅建は結構ムズい
宅建の合格率は13%~15%前後です。
国家試験としては易しい部類の難易度ですが、今回紹介する資格の中では難しい部類に入ります。標準学習期間は6か月。ただし確実に合格を目指すなら、9か月~1年くらい前から勉強を開始するなど、徹底して勉強するつもりでいた方が良いでしょう。
トラック系資格「例:大型自動車第一種運転免許(4801)」
1都3県のハロワ検出数(経験不問・40代以上) | 合格難易度 | 費用の目安 |
---|---|---|
1422件 | ★★☆☆☆ | 20万円~30万円 |
どんな資格?
中型~大型の各種トラックを運転するための資格です。合格率は種類により変わりますが、いずれも一発試験でなければ合格できます。
主な業務は、もちろん物流。拠点から拠点に荷物を運びます。
仕事がほぼ運転なので会話が少なく、年齢層的にも中高年メインなど、働きやすい環境が揃っています。
更にトラック業界は全体的に、人手不足が深刻です。大型トラックだけでも1都3県・約1,500件以上の求人が出るなど、勤務先には困りません。
どんな待遇?
賃金はに30万円~40万円と全体的に高いです。
各種手当を含めると、年間で350万円以上は期待できるでしょう。
反面、勤務体系は激務です。人手不足業界はいずれも何らかの過酷さがありますが、トラックドライバーの場合は、長時間労働が課題です。
もちろん適切な職場なら法律上の範囲を守ってもらえますから、過度に恐れる必要はありません。
介護職員初任者研修
1都3県のハロワ検出数(経験不問・40代以上) | 合格難易度 | 費用の目安 |
---|---|---|
4248件 | ★☆☆☆☆ | 6万円~15万円 |
どんな資格?
介護職員初任者研修は、老人ホームや訪問介護など、介護関係の仕事に役立つ資格です。
高齢者をベッドから車イスに移動させたり、入浴や着替えなどに必要な支援をしたりと、働く前に覚えておきたい、必要な知識と技術が身に付きます。
介護業界には色々な資格がありますが、初任者研修は入門的なものと理解すると良いでしょう。持っていると多くの介護現場で、「教えるのがラクになるし、すぐに一人前になってくれるかも!」と評価されます。
ちなみに、この資格は落ちる人がほとんどいません。
どんな働き方?
介護事業は、ほとんど皆さんのイメージ通りの職場です。
求人は両手に余るほど溢れており、今回の調査でも案件数は4,248件とダントツ。雇用形態も正社員からアルバイトまで幅広く分布しています。
ひと昔前までの介護業界は、女性メインの環境でした。しかし氷河期以降、ひきこもりや転職失敗を経験した男性組からの流入も多く、年齢・性別問わず活躍できる職場です。
過酷な勤務形態が話題になりやすい業界ですが、最近は処遇の改善が進み、特定技能による外国人の流入も期待されるなど、だんだんと賑わいが見えています。
まとめ
中高年・氷河期ひきこもりの方にとって、資格は強力なアピール材料です。
「資格取得=即戦力」とはいきませんが、経験や若さを持たない氷河期人材にとって、資格は採用選考を有利に運ぶための、頼もしい味方になってくれます。
また資格を取れば、入社後の業務習得も容易になります。
資格自体は知識に過ぎませんが、無資格の人より業務に対する理解スピードが上がるので、自分を「デキる子」化できるツールです。
大抵の職場は、デキる子を大切に保護します。
つまり資格があれば、パワハラやイジメ被害は遠ざかり、落ち着いた環境で仕事を覚える、働きやすい環境を期待できます。