
引きこもりから復帰するには、現実の理解が欠かせません。
「現実くらいわかってる!」と反駁したいお気持ちはわかりますが、みなさんが引きこもっている間も、時代は大きく動いています。
かつての現実が、いまの現実であるとは限りません。言い換えると、「かつて、みなさんの復帰を遮っていた理由が、現在もハードルになっているとは限らない」です。
今回はニート・引きこもりに悩むひとに向けて、引きこもりから復帰するための、時代の変化やアドバイスをお伝えしたいと思います。
ブランクがあっても復帰しやすくなってきた
氷河期時代の就職活動では、「ブランク・引きこもり=ダメなやつ」でした。
当時の転職サイトには「ブランクの言い訳・隠し方」などがズラりとならび、掲示板やチャットで色々な案が出たものです。その影響から、「10年ブランクがあるから、ムリだろう…」と、お考えの方も多いでしょう。
しかし、現在はかつての氷河期世代ではありません。
企業は人手不足に困っていて、海外から人を招くほどです。履歴書不要の求人や「ブランク有のひとも大歓迎!」と書いた求人も増えています。
時代は大きく変わりました。
現在はキャリア採用でない限り、社会経験に乏しくても復帰のチャンスはあります。以前のように、必要以上に長期ブランクを恐れる理由はないんです。
イヤだったら辞めていい時代になってきた
入社後のイジメやパワハラ・ミスマッチを恐れる必要もありません。
かつて日本は「退職=罪悪」でした。「石の上にも三年」とばかりに「入社したら3年」(ブラックでも)のような根性論があったほどです。
しかし現在の日本社会は、
- 特定技能外国人労働者の流入 … 賃金などを理由に転職する層が増えてきた
- 若者を中心とした意識の変化 … パワハラやイジメなど環境の悪い職場はどんどん辞める
- 政府による働き方改革 … サビ残・有休返上などへの厳しい視線
上記のような影響から、社会意識が大きく変わってきました。
世間が「退職=悪」とせず、「退職にはそれなりの理由があったのではないか?」と考えてくれるようにもなりました。
また、退職代行サービスや円満退職請負人のようなビジネスも登場し、
こんな合理的なスタイルを取る人が増えています。
平成初期の「退職=悪」だった時代と比べ、大きく変化したと言えるでしょう。
もはや会社は、「忠義を尽くす場」ではありません。会社なんてしょせん、給料を稼ぐだけの場です。
こう割り切ってしまれば、みなさんも会社なんてイヤだったら辞めればいいだけと気付くはずです。
職歴がキズつくと恐れる方もいますが、わたしやみなさんは何年間も引きこもり続けた人物です。いまだに守るべき職歴があると思いますか?
わたしは失敗を恐れ引きこもりを続けるより、アクションした方がはるかにマシだと思っています。
「友人知人が怖い人」は、新天地への旅立ちを
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- 「かつての知人や友人に知られそうで動けない…」
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- 「もし、同じ職場になったらどうしよう…」
氷河期世代の方のなかには、友人・知人・近所の目が気になるひともいるでしょう。たしかに30や40になって、格差を見せつけられるのはツラいものです。
そんな方には、新天地への旅立ちをオススメします。
日本は意外と広いんです。そして、国内のどこに居住するも自由です。
東日本から西日本へ。西日本から東日本へ。好き勝手ジャンプできます。
考えてください。
家から出られない原因は、
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- 近所の人のウワサになってる
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- かつての友人に会いたくない
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- 知人に評判を聞かれないか?
こんな理由ではありませんか。
実際、当サイトが実施したアンケートでは、30代~40代の長期ひきこもりの方の多くが、たくさんの知らないひとの視線より、数名の知人や友人の視線を恐れています。
新天地へ旅立てば、こうした問題は解決します。
新しい環境とまっさらな関係。外の世界に目を向ければ、みなさんも自然と働き、社会に戻っているかもしれません。
今がチャンス!氷河期支援の風が吹いている
2019年現在、日本国内には推定60万人ものひとが、中高年ひきこもりに悩んでいると見られています。
この数字は、内閣府「生活実態調査」により明らかになったものです。原因の大部分は、1993年~2004年の就職氷河期によるものと考えらています。
日本政府はこれを受け、大規模な支援計画(就職氷河期世代支援プログラム)を発表し、目標として3年間で30万人の正社員雇用を立てました。
当事者として、「いまさら遅い!」と言いたくなるお気持ちはわかります。
ですが、この大規模な支援を見過ごす手はありません。支援計画は現時点で本格実施に至りませんが、
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- 自治体が30代~40代を対象に正規事務職員を募集する
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- 大手総合物流会社が氷河期中心に3年間で300人の採用計画を発表する
上記のように、官民問わず各方面から動きが出ています。
詳しい内容は別記事に書きましたが、どちらも氷河期世代を意識したものになっていて、給料・待遇・入社後教育など非の打ちどころのない社会復帰が期待できます。
社会復帰はまさに、今がチャンスです。
不安・恐怖…真剣に未来をかんがえよう
引きこもりのままでいると、その末路は暗いです。
「そんなコトはわかっている!」とお怒りかもしれませんが、そういう方に限って、実はじっくりと考えていません。
なぜなら、怒りの根本には「引きこもりを続けていると将来ヤバそうだ…」という恐怖があり、現実から目を背けたがる気持ちがあるからです。
本気で引きこもりを脱出したい方は、自身の末路をもっと具体的にイメージすべきです。「ヤバそうだ…」のような曖昧なものでなく、例えば、10年後や20年後、もっと先の未来を想像しましょう。
たとえば、両親と同居している方は10年後、両親が退職したあとの生活を想像しましょう。
- アナタは年老いた親に、食事をねだって生活しますか?
- 息をひそめ、視線を恐れ、隠れるように暮らしますか?
- 親戚や知人が来たとき、顔向けできますか?
さらに10年後、両親が亡くなったシーンも想像しましょう。
- アナタはその後、自分がどうやって生きていくのか想像できますか?
- アナタの周りには、アナタを誰か支えてくれる人がいるでしょうか?
- 仮にひとりで生きるとして、生活費などはどうしますか?
さらに10年後、自分の体調が悪くなり、病院に通うシーンを想像しましょう。
- アナタは年老いた体で、どうやって生活し、病気と闘いますか?
- 「もう死んだ方が楽だろう…」と考えるようになっていませんか?
- 思わず、「もう考えたくない!!」となりませんでしたか?
いいえ。そんなことはありません。
若さは武器です。30代や40代のみなさんは、まだまだ若さを武器にできます。
みなさんがいま、本気で復帰を決意し立ち上がれば、まだまだじゅうぶん間に合います。2019年現在、政府を中心に各方面から支援の手が出るなど、引きこもりに追い風が吹いています。みなさんにとっては、今後3年がもっとも復帰しやすい状況と言えるでしょう。
「本気で復帰したいんだ!」とお考えの方は、つかめるチャンスがあるうちに、復帰を目指す方策が有効です。