サポステの氷河期支援って?愛知県「サポステ・PRO」に聞いてみた

画像なごサポ・PRO/なごや若者サポートステーション

 

サポステ・PRO(政府仮称:サポステ・プラス)は、主に政府の委託を受けた事業者(若サポ)が支援対象を氷河期世代にまで拡充して、ひきこもりや長期無業者など「いきなり就職活動は難しい…」といった方の就労を支援するサービスです。

若サポはこれまで、概ね若者を対象としてきましたが、政府発表の氷河期支援に基づき、2020年4月からは全国各拠点のサポステが「氷河期対応」へ方向転換。これに伴い、氷河期世代への支援メニューも取り揃えられることになりました。

そこで今回は、他県よりも1年早く実施を決めた「なごサポ・PRO(愛知県)」に取材を敢行! 2020年3月時点で提供中の、各種サービスや利用方法・一部有料プログラムの中身を「具体的に」ご紹介しようと思います。

 

なごサポ・PROの支援メニュー

なごサポ・PROの支援メニュー一覧です。

 

なごサポ・PROの支援メニュー
  1. ボランティアや交流会で社会スキル向上!「サークル活動」
  2. 電話苦手さんやIT音痴さんもこれで安心!「セミナー活動」
  3. 仲間と合宿で集中強化!社会スキルをリバイバル「集中支援プログラム」
  4. 実際の現場で仕事を体験!「職場体験」
  5. なごサポ独自の合同企業説明会「企業交流会」
  6. 履歴書も面接もフルサポート!「選考支援」

 

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ボランティアや交流会で社会スキル向上!「サークル活動」

 

なごサポ・PROの「サークル活動」は、ボランティア活動や参加メンバー同士で共同作業をこなすことで、コミュニケーション能力を高める活動です。

ただ、交流活動と言われてもピンとこない方もいるでしょう。わたしもピンときませんで、担当者の方に「具体的にどんなことをしているのか?」と尋ねたところ、町の清掃活動に参加したり、バンドエイドみたいな配布物を配ったり仲間同士で簡単な作業を進めるなどの活動の場を提供しているとの回答がありました。

活動中は(スタッフだけでなく)メンバーで会話する機会もあるそうで、メンバー同士で盛り上がるケースも多いとか。長いこと引きこもっていると、「人と接するの自体が苦手」って悩みも出てきますから、「サークル活動」は、こうしたお悩みを持っている方にピッタリかもしれません。

メンバー同士の交流は、いわゆるヨコ(仲間同士・同僚同士)の関係構築につながります。「スタッフさんとは距離を感じてしまう」という方や「同じ立場の人と知り合いたい」という方も、自然と社会スキルの向上が期待できそうですね。

 

電話苦手さんやIT音痴さんもこれで安心!「セミナー活動」

 

セミナー活動は、就職活動や就職後の仕事に求められる、さまざまな基礎スキルの習得を目的としたサービスです。

セミナーや研修というと、お辞儀の角度や席次(上座や下座など)などのおカタい「ビジネスマナー研修」の印象が強いですが、なごサポ・PROではこうした定番モノだけでなく、

 

    • 自然な会話に向け声量やスピードを学べる「ボイス・トレーニング」
    • 電話応対に特化してスキルを磨く「電話研修」
    • パソコンの操作やOfficeソフトなどの使い方を学べる「パソコン研修」

 

など、それぞれの苦手さんも徹底支援。型にはめたような定番支援だけでなく、ひきこもりあるあるの「電話苦手」「早口&小声」など、弱点部分をピンポイントで解消できる、手厚いセミナーを展開しています。

 

仲間と一緒に短期合宿!社会スキル徹底強化「集中支援プログラム」

 

「集中支援プログラム」はなごサポ・PROの一番の目玉支援です。

簡単に説明すると、「メンバー同士で合宿して、短期間に集中的に社会スキル強化しよう!」という合宿形式の短期研修。主にサークル活動やセミナー活動で提供している支援メニューを中心に、社会生活や働く上で求められるスキルを泊りがけで学んでいくという内容です。

なごサポ・PROによると合宿期間は約1か月。短期とは言え、かなり長めの研修ですが、通常は数か月間かかるカリキュラムを一気に学べる点は大きな魅力。さらに仲間と寝食を共にする日々は、通所研修では得られない貴重な経験になりそうです。

ちなみに、宿泊先は市内の青少年宿泊センターとのこと。参加費は1万円で宿泊費や食事代はすべて込み、なごサポ・PROでは年2~3回ほど実施しているそうです(担当者談)。

 

実際の現場で仕事を体験!「職場体験」

 

職場体験サービスは、実際の企業を訪問して仕事を体験するサービスです。

体験機関は就業先やメンバーの事情にもよりますが、おおむね1日~1週間程度の短期間。流れとしては、まずスタッフと相談しながら体験先を選び、企業の担当者と対話して実際の内容を決めていくというスタイルを思い浮かべておけば、大きな違いはありません。(なごサポ・PROでは必要に応じて、初日は担当者さんが同伴することもそうです)

サポステは就職あっせん業者ではありませんから職業紹介はしません(制度の事情)が、企業によっては体験を通じて、「この人が欲しい!」と採用に繋がるケースもあるそうです。

ちなみに、なごサポ・PROによるとこれまで「製造業に介護業・IT業界」などさまざまな業界への職場体験を実現しています。

 

なごサポ独自の合同企業説明会「企業交流会」

文字通り、地場産業を中心にした合同企業説明会です。

イメージとしては、広めの会場に複数の会社の採用担当者が集まって、参加メンバーにお仕事の内容や社内の特徴を説明する場所といったところでしょうか。通常は顔合わせ程度で「後日選考します」という流れですが、お互いのニーズが一致すれば、そのまま面接に進むケースも見られます。

ちなみに、この手の合同企業説明会はふつう、ハローワークや民間人材会社などが主催します。

ただし、なごサポ・PROでは、なごサポメンバーを対象にした独自説明会も実施しているとのこと。説明会としては小規模(5社~10社程度)ですが、参加企業は最初からサポステメンバーの採用に意欲的なところがそろっているのが魅力です。

 

履歴書も面接もフルサポート!「選考支援」

なごサポ・PROでは「履歴書や面接のアドバイスや練習」もしています。

ま、これ自体はハローワークもやってたりするので、別に珍しくはありません。ただ、あまり交流のないハロワの人といきなり面接は不安ってケースもありますから、「まずは気心の知れたサポステで練習したい」なんて状況で役立ちます。

 

 

 

 

まとめ

 

今回は愛知県の「なごサポ・PRO」の支援メニューをご紹介しました。

サポステの支援はマナー研修や就業体験のイメージが強いですが、実際にはボランティア活動やメンバー同士の交流会に、ボイトレや電話研修みたいな、弱点をピンポイントでカバーするような支援も提供しています。

また、集中支援プログラムによる合同合宿も、かなり興味深い支援です。おカタいマナーやビジネス研修も、当事者同士で進めていければ、楽しいものになりそうです。料金が割安なところも、参加意欲を刺激されます。

ちなみに、今回は名古屋のサポステサービスを紹介していますが、2020年度4月以降は全国サポステで氷河期対応が決まっています。お近くのサポステもほぼ同様の支援がありますので、ご検討されてみてはいかがでしょうか!

 

 

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