
兵庫県宝塚市は2019年9月22日、氷河期世代を対象とした正規事務職員の採用試験を開催しました。
採用枠はわずか3名という少なさにもかかわらず、応募者1816人のうち1635人が試験に出席。宝塚市は当初予定していた2か所の会場を10か所に増設するなどして対応しましたが、競争倍率が545倍となってしまい、1箇所の試験会場に1人も採用されない事態となりました。
それでも、おおくの参加者は厳しい試験と知りつつ、参加する道を選んでいます。ずっと願っていた望んだ働き方を手にするため、果敢に試験に挑みました。
全国初の氷河期向け試験
宝塚市の試験は全国で初となる氷河期世代向けの試験です。
一般的な社会人採用試験は即戦力を求めるため経験や職歴などを考慮しますが、氷河期試験は雇用機会に恵まれなかった層を対象としているため、職歴不問。無職やひきこもりの人でも不利にならず・受験できる試験となりました。
ただし、宝塚市公表の情報によりますと、倍率は545倍と狭き門です。さらに試験は3次試験まであり、1次試験では、受験者のうち約1割に相当する180人程度に絞り込まれる予定です。
なお、宝塚市は同様の今後3年間継続し、雇用機会に恵まれなかった人にチャンスを提供していくとしています。
「これでは救いになっていない!」との声も
今回の試験で確実に言えることは、氷河期世代を過ごした多くの人は、現状に悩み、苦しみ、希望を求めているということです。
たった3人の採用枠に全国から1600人以上が集まる事態は、とても正常とは言えません。「自分が求める職業・働き方」に対するハングリー精神は、新卒世代以上と言って良いでしょう。
本ニュースの発表時点で試験開催から既に2日が経過していますが、SNSやポータルメディアのコメントには試験に関する様々な反応が未だ数多く寄せられており、多くの議論を呼んでいます。
