引きこもりの定義とは?内閣府調査を基準に解説します

引きこもりの定義や原因・ニートとの違いなどをまとめました。

 

  • うちの子は、引きこもりに当てはまるのか?
  • ニートとはどう違うのか?
  • 周囲に心配な人がいるけど、原因や理由を話してくれない

 

上記のお悩みを持つ方は、是非この記事をオススメします。

家族の方が適した支援の手を差し伸べるには、引きこもりの現状について、正しい知識が求められるからです。

 

氷河ニート
この記事は、ひきこもりの定義について解説している。政府による支援策について知りたい人は、こちらの記事がオススメだ。

 

引きこもりとは?

 

内閣府は2019年3月に公表した、引きこもりに関する調査記録「生活状況による調査」にて、引きこもりの定義を下記のように定めています。

 

内閣府調査による引きこもりの定義
6か月以上にわたり仕事や通学などをしていない人のうち、コンビニや趣味以外では外に出ず、家族以外とほとんど会話していない人

 

「自宅で稼いでいる場合は?」、「少しくらいは外出できる場合は?」などギモンの余地がありますが、判断ポイントは「社会的に自立したとは言えない状態」であるということ。

つまり、下記のような状態の人が、ひきこもりに該当します。

 

引きこもりに該当する人
    • コンビニ程度の外出はするが、20年以上にわたり無職状態が続いている人
    • 働かず親の年金で生活するが、好きなアイドルのコンサートには外出できる人

 

逆に、下記のような人は、ひきこもりに該当しません。

 

引きこもりに該当しない人
    • 家から出ていないが、自宅で稼いでいる人
    • 休日はこもりがちだが、普段は仕事に行くため外出している人

 

ただし、上記の基準は内閣府が定めた複雑な定義を、当サイトで読者の方にわかりやすく要約したものに過ぎません。

正確な「引きこもりの定義」を知りたい方は、内閣府への下記のリンクをオススメします。

 

参考生活状況に関する調査 概要/内閣府

 

ニートとの違い

ニート(Not in Education、Employment or Training)は、若年無業者と呼ばれる存在です。

通勤通学や家事、就業訓練などをしない人のうち、若年者(15才~34才)が該当します。日本では、ニートと引きこもりをほとんど同じように考えている人もいるのですが、

 

  1. ニートは15才~34才と年齢制限があるが、引きこもりには年齢制限がない
  2. ニートは「外出しない」条件はないが、引きこもりは自宅からほとんど出ない人に限られる

 

上記のような点で異なります。

ただし、ニート期間が長期化した結果、引きこもりと化してしまうケースも見られるため、両者は完全に無関係とも言えません。

 

引きこもりの特徴は?

 

現代社会の引きこもりは、昔の引きこもりのイメージ(子供の悩み、怠けグセなど)と、完全にかけ離れています。

内閣府は発表した「生活状況に関する調査」は、引きこもりの現実を社会に一気に知らしめると同時に、深刻な状況を浮き彫りにしました。

この調査では、日本の引きこもりが下記のような状態にあると示しています。

 

現代社会の引きこもりの特徴
  1. 若年者よりも中高年ひきこもりが多い
  2. 7年以上引きこもっている人が約5割
  3. 男性が約75%を占め圧倒的に多い

 

若年者よりも中高年の方が多い

現代社会の引きこもりは、40歳~64歳の中高年が、若者より多くを占めています

内閣府調査によると、40歳~64歳の引きこもりは推定61万3千人。「引きこもり=子供の不登校」のイメージが強かった昔とは、まるで違った現実を明かしました。

急激な変化の原因は、就職氷河期の影響と見られています。

当時はバブル崩壊の影響で就職が非常に難しく、不要な人材を持て余した企業によるパワハラ・イジメ問題も横行し、社会への自信を失った層が中心を占めているという解釈です。

 

7年以上引きこもっている人が約5割

引きこもり当事者のうち、約5割は7年以上の引きこもり続けています。

とくに氷河期世代の多くは、20才~24才の頃に引きこもり状態となりました。20代の7年ブランクは、社会的に取戻しが効かないといって良いほどの致命傷です。

彼らの多くは、これといったスキルを持たないまま成長し、既に30代~40代を迎えています。

 

男性が約75%を占め圧倒的に多い

現代社会の引きこもりは、約75%が男性です。

  • 女性には家事手伝いや結婚という道筋がある
  • 男性は経済的な自立が求められる
  • アルバイトやパートは中高年男性には合わない

上記のように、女性と比べ相対的に、社会復帰が難しいからと見られています。

 

引きこもりの原因は?

 

引きこもりになってしまう原因は、人によって違います。

内閣府は原因を上から順に「退職したこと」、「人間関係」、「病気」と位置付けていますが、詳しい背景の説明が不足しており、詳しいところまではわかりません。

そこで当サイトは、引きこもり経験者97人(本人確認済)に報酬を支払い、原因と理由を独自調査しました。

原因別に整理して、ご紹介したいと思います。

 

 

引きこもりになった原因
  1. イジメ・パワハラによる引きこもり
  2. 人間関係による引きこもり
  3. 不登校による引きこもり
  4. 病気による引きこもり
  5. 就職失敗による引きこもり
  6. 退職した

氷河ニート
上記のリストは当サイトのアンケート結果の回答数順だ。内閣府調査の順番(退職・人間関係・病気)とは違うから、注意してくれ。

 

イジメ・パワハラによる引きこもり

今回の調査では、イジメ・パワハラを原因とする意見が、最も多く見られました。

調査対象は20代以上の労働世代全般としましたが、イジメ・パワハラは全年代・性別問わず見られます。

具体的な事例としては、親族を巻き込んでの自腹営業や、リーダーなど上役からの無視理不尽な叱責などが挙がっています。

 

当事者から寄せられた意見
    • 女性ばかりの職場のリーダーに無視され続け、ストレスから足が動かなくなったため。(40代・女性)
    • 営業の仕事をしていて家族や知人からお金を出させようとさせられたからです。(30代・男性)
    • 上司よりも結果をだした事で上司の立場が悪くなったと言われパワハラを受けました。(30代・男性)

 

人間関係による引きこもり

イジメ・パワハラ以外を原因とする、職場トラブルです。

傾向的にはパワハラ・イジメと同様に、全年代・男女問わず見られます。具体的な事例としては、上司と対立した仕事の失敗などから、集団で問責されたなどパワハラに近い事例も挙がりました。

 

当事者から寄せられた意見
    • 仕事の失敗で精神的に参ってしまった。(30代・男性)
    • 介護の仕事をしていましたが、女性介護士や利用者(お年寄り)との人間関係が悪化したことが理由です。(40代・男性)
    • 集団で問責されるようなことが続いたからです。(30代・女性)

 

不登校による引きこもり

不登校をきっかけに引きこもり続け、大人になってしまったパターンです。

具体的な理由としては、ほぼ100%がイジメによるもの。引きこもりは男性に多いですが、不登校を原因とする引きこもりは、女性の方が顕著です。

 

当事者から寄せられた意見
    • 中学生になったころからいじめが原因で不登校、引きこもりになった。(40代・男性)
    • 小学校で不登校になり、そのまま引きこもっていました(20代・女性)
    • 小学校の3年の時の引っ越しした転校先でいじめにあったから。(30代・女性)

 

病気による引きこもり

精神的な病気による引きこもりです。

もっとも、病気の原因の大部分は、職場のパワハラや過酷な労働環境によるものです。いずれも元の職場で発した病が多く見られ、30代~40代の氷河期世代に顕著でした。

当時は就職率が低かっただけでなく、業績悪化により社内環境も良くなかったのではないかと推定できます。

 

当事者から寄せられた意見
    • ブラック企業に勤めていて月200時間を超える残業などでうつ病を発症してしまったため(30代・男性)
    • 職場で上司からのパワハラや人間関係で悩み引きこもりになってしまいました。それで鬱っぽっくなりました。(30代・男性)
    • 就職氷河期で派遣を転々としていて、友人もできず、仕事もかなりハードだったため、病気になりました。(40代・女性)
    • 発達障がいがあり職場でうまくいかず、うつ病が著しく悪化して、退職後は家から出られなくなりました。(30代・女性)
    • 上司に殴られ、机を蹴飛ばされ、まともに仕事ができない精神になりました(40代・男性)

 

就職失敗による引きこもり

就職に失敗し、そのまま引きこもってしまったケースです。

就職氷河期世代からの意見が、圧倒的多数を占めました。半年で30件も不採用になる、希望企業すべての就職に失敗する、面接を受けても毎日落ちるなど、悲惨な状況が語られています。

 

当事者から寄せられた意見
    • 会社に応募しても応募しても不採用。半年で30件。そりゃ何もする気が無くなります。(30代・男性)
    • 短大在学中に志望していた企業すべての就職に失敗し、何も考える余裕がなくなりそのまま自宅にひきこもった(40代・女性)
    • 面接を受けても落とされるの毎日。だんだん自分に自信が持てなくなり、そこからひきこもるようになりました(30代・男性)
    • 職場を退職して次の仕事をいくつか受けて落ちた所から自信をなくして引きこもりになりました。(30代・男性)
    • 実家にUターン転職を試みたが失敗してしまった。(30代・男性)

 

退職した

セクハラや肉体的な病気による離職・家庭環境の急変などが挙げられました。

 

当事者から寄せられた意見
    • 肉体的な病気にかかり、3ヶ月以上の自宅療養が必要になった。(30代・女性)
    • 健康状態が悪くなり、勤務先を退職、ほぼ同時に父が他界、母に甘えて何もしなくなった。(40代・男性)
    • 職場でのセクハラ被害後勤務を続けていたが、月日が経つにつれモチベーションが低下していったから(30代・女性)

 

家族がひきこもってしまったらどうすべき?

ひきこもっている本人の意見を尊重しながら、支援の手を差し伸べるべきです。

もっとも、引きこもり本人の多くは、家族に引きこもりについて触れられたくないと考えています。そのため、本人が強い拒否感を感じるような接し方は控えつつ、「見捨てないよ」と気持ちを繋いで行く姿勢が大切です。

引きこもり問題の対応方法は、本人の状況や経緯によって変わってきます。

状況を知らないまま、具体的な支援方法を語ることはむずかしいので、当サイトは各自治体の公的な支援機関への相談をオススメしています。

「どの機関が頼りになるかわからない」という方がございましたら、当サイトで公的な支援団体を紹介しますので、Twitterなどでお気軽にご連絡いただければと思います。

 民間団体はNPOを含め、悪質な業者も存在しています。つきましては、当サイトでは都道府県や市の相談窓口など、公的な機関へのご紹介に限らせていただいております。

 

まとめ

日本政府は引きこもりを、「6か月以上にわたり仕事や通学をせず、コンビニや趣味の用事以外で外出をしない人」と定義しています。

昔は子供の不登校のイメージがありましたが、現在は氷河期世代の影響などから40才以上のひきこもりの方が多く、40才~64才の中高年ひきこもりは推定61.3万人と見られています。

彼らの多くは、正社員としての職歴を持たず、7年以上もひきこもり続けている存在です。このままあと20年も見過ごされると、そのまま高齢期を迎えてしまい、大変な社会問題になると考えられています。

既に時を逸したとの意見もありますが、何もせずに放置できる問題ではありません。一刻も早く、支援の手が待たれる状況と言えるでしょう。

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